伊勢ヶ濱部屋の歴史
History

伝統を紡ぎ、未来へと挑む
――伊勢ヶ濱部屋の軌跡――
伊勢ヶ濱部屋は、1929年(昭和4年)9月場所を最後に現役を引退した元関脇・清瀬川が、年寄・5代伊勢ヶ濱を襲名し、楯山部屋に預けていた内弟子を引き連れて創設した、由緒ある相撲部屋です。5代は横綱・照國や平幕優勝の備州山などを育成し、一代で部屋を名門へと押し上げました。
時代とともに師匠が代を重ねながら、部屋は数々の関取を輩出し、相撲界に確かな存在感を示してきました。そして2007年、新たな節目を迎えます。第63代横綱・旭富士として活躍した伊勢ヶ濱 正也が、年寄名跡を継承し9代伊勢ヶ濱を襲名。伊勢ヶ濱部屋はふたたびその名を掲げ、再興の道を歩み始めました。
9代伊勢ヶ濱は、師匠としても卓越した手腕を発揮。安美錦や安馬(のちの日馬富士)らを育て、2012年には日馬富士が第70代横綱に昇進。続く2013年には間垣部屋、2015年には朝日山部屋を吸収し、受け継がれた伝統とともに大部屋へと成長していきます。
2021年には、照ノ富士が第73代横綱に昇進。怪我を乗り越え、頂点に立ったその姿は、多くの人々に感動を与えました。そして2025年、照ノ富士が10代伊勢ヶ濱を襲名し、師である伊勢ヶ濱 正也の志を継いで部屋を正式に継承。長い歴史を紡いできた伊勢ヶ濱部屋は、いま新たな時代へと歩み出しています。

伊勢ヶ濱部屋の歴史
- 1961年
- 清瀬川の伊勢ヶ濱親方の定年退職に伴い横綱・照國が伊勢ヶ濱を継承(六代目)
- 1977年
- 大関・清國が伊勢ヶ濱を継承(七代目)
- 1979年
- 伊勢ヶ濱部屋の前身となる「安治川部屋」が創設。
- 1993年
- 第63代横綱・旭富士が4代安治川を襲名し、部屋を継承。継承後、陸奥北海が十両に昇進。
- 2000年
- 安美錦が関取に昇進。その後、安壮富士、安馬が続いて昇進。
- 2006年
- 定年退職後に一時元幕内・和晃が継承するも半年後に定年退職により部屋は一時閉鎖(八代目)
- 2007年
- 1929年に創設された旧伊勢ヶ濱部屋が2月に閉鎖。
元横綱・旭富士の安治川親方が名跡を交換(九代目)
11月30日に4代安治川が9代伊勢ヶ濱に改名し、部屋名を伊勢ヶ濱部屋に改称する。(旧・立浪一門系統)
- 2008年
- 11月場所後、安馬が大関昇進を機に「日馬富士」へと改名。
- 2011年
- 1月場所限りで安壮富士が引退。
- 2025年
- 1月17日、第73代横綱・照ノ富士が現役引退を発表。
元横綱・照ノ富士が伊勢ヶ濱を襲名(十代目)